企画名

XRで見る・3Dで触る先端科学
 

参加教員

教員名 所属 職名
稲生 啓行 数学・数理解析専攻 准教授
松本  剛 物理学・宇宙物理学専攻 助教
市川 正敏 物理学・宇宙物理学専攻 講師
佐々木 洋平 北海道情報大学 情報メディア学部 准教授
宮路 智行 数学・数理解析専攻 准教授
技術協力    
山本 隆司 生物科学専攻 技術専門職員
吉川 慎 火山研究センター 技術専門員
 

企画の概要

このSGは、数理科学・自然科学に表われる3次元的な対象を、XR機器や3Dプリンタを用いて観察する為の手法を学び、実際に作品を作って観察することが目的である。 「XR」とは、VR (仮想現実)、MR (複合現実)、AR (拡張現実) などの総称である。現在では一般向けに様々なVR機器が登場し、今までにない現実感・没入感をもって仮想現実の世界を楽しむことができ、またスマートフォンやタブレットなどで気軽にAR機能が楽しめるようになっている。

 もちろん数理科学・自然科学においても、様々な分野に現れる3次元的な対象を観察して理解することは重要である。紙やディスプレイなどで2次元に投影したものを見るだけでは十分に理解できないことも多い。このSGではそのような複雑な対象を、没入型VR装置を用いてその中に入りこんで観察したり、スマートフォンARであたかも目の前に存在しているかのように観察したり、3Dプリンタで実際に出力して触ってみたりして、対象をより身近に体感し、新しい構造や現象を発見したり、より深く理解する為の手法を学ぶ。

 具体的な進め方は参加者で相談して決める予定だが、前期は2〜3週間に1度程度セミナーを行い、計算機で扱う3Dモデル形式の構造や作成方法、基本的な3DアプリケーションやXRアプリケーションの作成方法について調べ、学んでもらうことを考えている。また3Dプリンタを実際に見てもらったり、実際に没入型VR装置で,過去の作品を含めたいくつかのデモやサンプルを見てもらう体験会も実施したりする予定である。

 その上で、流体力学、分子構造やフラクタル、その他何でもいいので、3次元(もしくはそれ以上)の観察したい対象(物体・アニメーションなど)を、実際に計算したり実験データを整理したりして出力し、没入型VR装置やスマートフォンAR等で実際に観察する。標準的な方法だけでは観察が難しいものについては、より現象を理解しやすい形で表現し可視化する方法について探求する。

 参加学生のうち興味の近い人たちでグループを作って、1つのテーマについて共同で作業してもらうことも考えている。また、3Dプリンタで出力できるような対象は実際に出力し、手にとって観察することもできる。

実施期間・頻度

月2回程度 (日程は参加者で相談)

説明会資料

4/19(金)のスタディグループ説明会資料はこちら

TA雇用の有無

有り

その他、特記事項など

VR機器等の貸し出しも (数に限りがあるが) 可能である.

問い合わせ先

inou*math.kyoto-u.ac.jp
(*を@に変えてください)
 

スタディグループへの登録は締め切りました。
関心のある方は macs *sci.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)までご連絡ください。

 


活動報告

活動目的・内容

 このSGでは、数理科学・自然科学に表われる3次元的な対象を,VR (仮想現実) 機器やスマートフォンのAR(拡張現実) 機能,3Dプリンタなどを用いて観察する為の手法を学び,実際に作品を作って観察することを目的として活動を行った.
 紙やディスプレイによる2次元的な表現と比べ,これらの機器を用いた3次元的な表現によって,観察対象をより身近に体感できるだけでなく,新しい構造や現象の発見や,より深い理解に貢献することが期待され,このような手法を学ぶことは重要であるが,近年Unityなどのゲームエンジンを使えばかなり容易に実装することができる.月に2回程度集まって情報交換などもしながら,個々人の興味に基づいた作品を作るための作業をメインに活動を行った.
活動時間以外でも,Discordなども用いて進捗報告や情報交換などを行った.

 

活動成果・自己評価

 基本的に個々人の作業がメインのSGでもあり,活動日の出席率は残念ながらあまり高くなく,また昨年度から引き続き参加した学生も多かったため,今年度もセミナーなどは開かなかった.しかしながら参加者はそれぞれで作品を作り,参加教員によるものも含め,下のように4つの作品ができた.本来3次元(以上)のものを扱うのがこのSGの目的であったが,今年度はなぜか参加学生の作品は全て2次元的なものになってしまった.とはいえ,それぞれの専門やそれに近い内容を可視化していてどれも十分意義深いものであり,これも理学の自由さを表しているように思う.
 稲生はPCのポインタ (カーソル) とトラックパッドのVR 3次元・4次元版のようなもののプロトタイプを作り,それを用いて既に可視化したものに情報を加えてより詳しく観察できるようにした.理学における高次元の現象を観察するには,空間内の任意の一点を指し示す機能は重要であり,色々な応用が期待される.
 3D印刷は,誰でも手に取って見られるという点でXRより更に現実感を持って観察でき,多くの人に見せるのも簡単であり,普及・宣伝という意味での優位点はあるものの,やはり画面上やXRで可視化する方が制約なく綺麗な映像が作れ,動きのあるものも作れるので,自分の興味があるものを可視化するという観点からすると,なかなか使いづらいところがあり,今年度も残念ながら利用がなかった.また,選定に時間がかかり,納入が遅くなったためにまだちゃんと使用できていないが,このスタディグループの予算で技術部に多色造形3Dプリンタを導入した.過去の作品でも多色化することでよりよくわかるようになるものもいくつかあり,それも含めて3D印刷の面白い例を増やし,今後の活動で学生が興味を持って使用してもらえるようにしたい.

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スペクトルFFT解析GUI (比屋根 総司)
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2次元XYモデルのサンプリング (金井 俊太朗)
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4次元VRポインタと2次元複素力学系の軌道 (稲生 啓行)
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Bers埋め込み (松田 凌)

 

SG9報告会スライド資料ダウンロード

SG9報告会ポスターダウンロード

参加メンバー

松井 健安 物理学・宇宙物理学専攻 修士1回(M1)
竹田 航太 数学・数理解析専攻 博士3回(D3)以上
松田 凌 数学・数理解析専攻 博士3回(D3)以上
林 大寿 化学専攻 博士3回(D3)以上
比屋根 総司 物理学・宇宙物理学専攻 修士1回(M1)
金井 俊太朗 理学部 学部4回(B4)以上